僕はこれを情熱と呼ぶ

東京から高知、東南アジアを旅して妻と娘を愛するデジタルマーケターの人生です

言ってしまうと自分が被害を受けてしまう、鶏卵販売へのツッコミ

こんばんは。

いつも僕の恥散らし文を読んでくださっているみなさん。

今日の記事は、ささくれだっております。

 

ベートーベンの「悲愴」を聴いて落ち着きを取り戻しながら書いていますが、

葛飾区のレトロなカフェでカップルがお互いを否定し合ってる会話が聞こえており、

スーパーの卵をリサーチして会ってみたバイヤーと話した時間を思い出すと、

もう、みなさんのに対する価値観を

壊し、揺らし、困惑させたい気分になってしまうのです。

 

こんな記事を書くと、鶏卵の販売者からクレームがきそうです。

そうです、僕のことです。(プロフィール参照)

 

最も被害を被るのは自分なのですが、

なんかもう、やるせなさが上回ってきました。根本的な何かを変えたいのです。

ステマじゃないかと思った人。そうだとしたら、こんな記事書きませんよ。

 

僕は、高知県で平飼い有精卵を1年半近く生産させてもらえました。

家畜栄養学と生理学を独学で学び、自分たちで飼料製造もしてきました。

全くの素人であり消費者だったからこそ、様々な疑問が現場にはありました。

それら一つ一つ と向き合ってきたからこそ、ささくれだってしまうのです。

もちろん、完璧な商品というのは難しい。個人の好みがある。

しかし、お客様側に立った事実は本当に明らかになっているのでしょうか?

 

卵をこんなに食べている国なのに

日本の消費数は世界3位なのに、あまりにも卵の宣伝文句に突っ込みどころがありすぎて心がザワつきます。(ざわ・・・ざわ・・)

みなさんがご家庭で家族と食べる機会が多いのは、米の次に卵なのではないでしょうか。僕なんか高知県で生産してた時は、ヒビが入ってしまった卵を1日6~7個食べていました。でも、東京で久々に健康診断を受けたらコレステロール値は普通なんですよね。

結局は、卵以外の食事のバランス、善玉か悪玉かによるのでしょう。

まあ、この辺は別にいいのです。専門家の方にお任せします。

 

こんなにも毎日食べるものですが、突っ込みどころも幾つかありますので、

考えたくない人は読まないほうがいいでしょう。(笑) 

 

色が濃いと栄養価が高いわけあったらたまんないわよ!

 

なぜ、日本ではこんなイメージがあるのでしょう。過去にそういったプロモーションでもされたのでしょうか。

赤みがかった黄身の色と茶色い殻の卵、別に栄養価には何の違いもありません。

殻の色は、全て鶏の品種で決まり、

黄身の色は、赤いもんを食わせりゃ赤くなります。

 

米喰らい、

白くなっても

君は黄身

 

という一句もあります。(2017年 ナリ作)

例えば、黄色い花粉末や赤いパプリカ粉末を飼料の中に0.数%混ぜただけでオレンジ色になります。そんなんで栄養素が変わってたまるか。

しかもこのパプリカ粉末、ちゃんと腐らないように酸化防止剤が入っています。少なくとも、僕が見た中ではそれはエトキシキンのみでした。

 

某飲食店「最近、色が淡くなってきているような気がするんですが、大丈夫ですか?もっと濃くしてください。」

某関係者「色が濃いほうが美味しい!」

 

ハッハッハ!そうでしょう! 栄養価が高いどころか、人体に害がある飼料添加物(エトキシキン入りパプリカ粉末)使ってまで色を濃くしてますから!

本当は僕たちだって使いたくない!!でも!だって!!

日本では色が濃いほうが売れるんだもん!!(心の嘆き)

 

そりゃあ確かに、暖色系のほうが食欲をそそりますが、

でも、毎日あなたの家族が食べるのですよ?

逆に、ヨーロッパやインドでは

色が濃い卵は着色剤を使用している不自然な卵として敬遠されます。

僕たち生産者にできるのは、買ってくれる人たちにわかってもらうように発信する、

そして、クレームがこないギリギリまで飼料添加物を抑えて、天然の色素を加えます。

例えば、ニラって葉緑素抜くと黄色くなりますよね?ニラを食べたら黄色くなります。唐辛子も赤い色素を持っているので栽培し、乾燥粉末にしたら赤くなります。

でも、栄養価に何の関係もない、色にこだわってこのような生産コストをかけるのは、

控えめに言って、アホらしいです。

その分、原価が売値に乗りますから。それは卵の本質ではありません。

 

放し飼いのほうが健康で美味しい?本当にそう思う?

言いたいことがありすぎるので、サクサクいきましょう。

結論からいうと、放し飼いは必ずしも鶏を健康にはしません。

鶏がホルモン生成をするのに必要な光線量は4~5ルクスです。太陽光は100ルクスはあります。

鶏になってみてください。明るい場所ほど自然界では外敵が多いのに、そんな中でゆっくり産卵できますか?また、彼女たちは非常に神経質で臆病(品種による)です。明るすぎる場所で、ストレスがないと言えるでしょうか?

庭を元気に走り回っている?僕には、外敵から逃げるためにせわしなく逃げ回っているように見えます。

 

僕たちがメス20羽にオス1羽の割合で飼っていたのは、自然界と同じようにオスがいることによって、外敵を恐れるストレスをなくしてほしいと思うからです。そのための有精卵です。

 

ああ、まだまだあります。

平飼いや放し飼いだから、卵の黄身がつまめる、生命力があるとか言いますね。

ケージ飼いでも、黄身はつまめます。

嘘だと思うなら連絡ください

光線量や、日々の体調管理、飼料などによってそうなるのです。そして生命力って何。

 

安易な平飼い至上主義になると、面積あたりの飼育できる羽数が減り、やはり生産コストがかかります。重ね重ね言いますが、その原価は売値に乗っかります。さもなくば、養鶏農家は首を吊るでしょう。

 

飼料のこだわり・・・?て何?

 

これに関しては、もう、

どこから突っ込んだらいいのかわかりません。

 

都内の高品質スーパーでリサーチした結果、次の文言が多いです。

 

「動物性原料不使用!植物性原料のみを使っているため、安全で生臭さがありません。」⇦代わりに合成アミノ酸使ってるの?

 

「PHF!非遺伝子組み替えのとうもろこしを使用しています!」⇦何%?たんぱく質のための大豆は非遺伝子組み換えなの?

 

「抗生物質不使u⇦出直してこい。使用してたら犯罪ですので通報してください。

 

えー、まず、当たり前のことで申し訳ありませんが、

みなさんの体は食べたもので作られています。

みなさんが食べたものは、その生き物が食べたもので作られています。

家庭科の授業受けましたよね?

カロリー、脂質、たんぱく質、食物繊維、カルシウム、鉄分・・・

生き物が摂取すべき栄養バランスは決まっていて、それは崩せないのです。

 

植物性原料だけで本当にアミノ酸足りるの?

 

植物性原料だけで、鶏が必要なアミノ酸(たんぱく質に含まれる)が得られるのでしょうか?僕なら、それじゃ不足しているので合成サプリを使います。それすらも使わないのであれば、それは素晴らしい技術力です。

それと、生臭いかどうかはうちの卵食べてみてください。逆に、植物性原料は一切使っていません。理由は、魚が持つアミノ酸バランスが最も良いからです。

生臭いという人はいません。むしろ、パンチがあって味が濃いのです。

 

非遺伝子組み換えの原料は、全体の何%なの?

「とうもろこしは非遺伝子組み換え!」と聞くと、「それで他は?」と思います。

たんぱく質を補給するための植物性原料=大豆粕は、輸入された遺伝子組み替えの大豆が80%以上を占めているからです。

日本で飼料用の大豆を育てるなんて、正気の沙汰ではありません。しかし世の中は広いので、もしかしたら自社栽培している人もいるかもしれません。国産豆腐の残渣をせっせと飼料加工しているかもしれない。

そんな人がいるのかと思うと、涙が出てきます。

恐ろしい生産コストです。狂気すら感じます。

だから、うちは100%国産、100%非遺伝子組み換えを実現するには魚粉しかなかったのです。

 

企業側の論理

はあ・・・だいぶ落ち着いてきました。

もちろん、僕は、日々研究して、妥協なき生産作業を行う養鶏農家の方々を尊敬しています。しかし、後継者がなく、利益も減ってきているのが現状です。

そりゃあ、生産コスト上がってんのに売値が変わらなかったらどうしろと。死ねと?まー死ねと。

 

バイヤーさんと話していて気になることもありました。

 

僕「うちの卵はふるさとチョイスで全国1位になっていて、ネット通販でもリピーターさんが3割以上でした。100%国産でやってる卵は他になかったようでした。こんな卵があるんだということを、もっと多くのお客様に届けたいんです!」

 

バイヤー「でもねえ、うちは契約農場でやってるから。新規は検討していないんですよ。類似した卵もありますし。」

 

あれ、僕の説明が下手くそだったのかな・・・・えーと、話、聞いてました?

直営や契約農場があるから、それは、企業側の論理ではないでしょうか。お客様側の論理は入っているのでしょうか。

僕には、もう、わからなくなっていたのでした。

 

企業のゴールは、「最も高い品質の卵を、安く供給すること」です。

安くするために、地域の未利用原材料を循環させ、

価値を高めるために、勉強して自分たちの目で原材料を見極めるのです。

それに文句があるなら、いつでも来てください。インファイト上等です。

間違いや勉強不足があれば、ご指摘箇所を訂正してお詫び申し上げます。

 

連絡先はこちらです。

nari.kasuya.hikariアットマークジーメールドットコム

 

僕たちの卵の詳細はこちら

www.narimasa-kasuya.com