ああ、大企業様。莫大なお金をかけて人材教育してるのに、なぜ餌を待つ人が育つのでしょう。
どうも、ナリです。
高知の農業ベンチャーを退職して、卵の宣伝がてら、
業界初のヒッチハイク営業で東京に帰る道中のことでした。
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ある超大手企業の技術開発職で26年勤めておられる
ナイスミドルな大井さん(仮名)(年齢超不詳)に積んでもらった時のこと。
ふと、「26年後輩育成をずっとやってきて感じたこと」をポツリと話してくれました。
僕も一応、いわゆる大企業と呼ばれる会社で教育をしてもらい、
ベンチャーでも働きながら思うところがあり、
大井さんのお話がなんだか胸に刺さったのです。
ポジショントークですが、僕はベンチャーで働くことができて幸いでした。
大井さん
「君は変わった営業手法をしているね。結果が出るかはまるでわからないけど(笑)」
ナリ
「まー!おっしゃる通りです!(笑) こうやって普段絶対出会わない人たちと会えるのが楽しくてやってるのが大きいですね。」
大井さん
「その発想と行動力が仕事人として大事なんだけど、大企業ではなかなかそうは行かなくてね。」
ナリ
「(ちょっと嬉しい)そうなんですか。投資する費用と時間が果てしないから、優秀な方が多いようなイメージですけど・・・」
大井さん
「人が、多すぎるんだ。教育を任された中堅社員に対して、時には10人も新人がつく。また、座学での研修は100人を超えることもある。そうすると、」
ナリ
「そうすると?」
大井さん
「一人一人のリスク管理ができないから、リスクを潰すための答えを最初から全部叩き込むんだ」
ナリ
「あ、それ覚えがあります。ビジネスマナーや仕事の進め方、各業務マニュアルとかですよね。確かに、最初から全部叩き込まれて、覚えたかどうかのチェックをされます。」
大井さん
「それらって、その時を過ぎたら忘れてしまうんだよ。所詮暗記しただけだからね。致命的なのは、自分で切り口を見つける一歩と、考えるプロセスに時間を使えないことなんだ。
例えば、マニュアルも大事だけど、まずは出発点を自分で考えて、わからないところがあった時に初めて見せるようにするんだ。そうすると、考える切り口とプロセスが体得できるから、形が違う問題が起きても本質が同じならマニュアルのあの部分が使えるかも、と自分で利用し始めるんだよ。」
ナリ
「なるほど!でも、それって、すごく時間がかかりますよね・・・任せる側もハラハラしますね。」
大井さん
「そうなんだよ。人が多すぎて物理的に無理なんだ。僕は、自分の部下が悩んでいたら絶対に答えは教えたくない。代わりに、最初の一歩を踏み出すきっかけをあげるんだ。
そういえば、以前こんな機械の設計に、以前こんな公式が使われていたけど、当てはまらないかな?ってね。」
ナリ
「あー、確かに、最初の切り口と思考プロセスがわかれば、後は勝手に前に進んでいきますよね。」
大井さん
「でも、それを一人一人に根気よく教えていくには、他の人はどうかわからないけど、少なくとも僕一人のキャパシティを完全に超えている。しかも、僕の元に来る前に、座学でたっぷり答えを教えられている。そうすると、その答えばかりを使うから、発想外のものが出てこないんだ。
管理する側からしたら楽なんだけどさ、正直、面白くねーなって思っちゃう。」
ナリ
「おお・・・厳しいですね。でも、入社した時はそんなことわかんないですよ。
僕は農業ベンチャーでわからないことだらけのところから社長と一緒に一つずつ調べ上げてきて、確かに論理が深く染み付いたし、いろんな切り口から調べたから応用もできると思います。まあそれって、やってみないとわかんないですよね。」
大井さん
「本当は僕が自分で考えるプロセスに寄り添う中で、その人の仕事の癖や個性が発見できたらいいんだけどね。残念ながら、個別にかけた時間によって格差が生まれてしまうし、そうなると全員を画一的に底上げしていく教育手法になってしまう。
要は、100人を超える人間が間違いのない答えを知っている状態にするのが、最も合理的なんだよ。答えを与えられるのを待つ新人の出来上がりさ。
仕方ないけどね、全員のリスクを管理して考える時間も与えるなんて、そんな人手も時間もないし(笑)
だから、どんな人が来ても絶対に切り捨てずにその人の思考を引き出すのが僕みたいな中堅社員の意地だと思うよ。」
ナリ
「うわー、自分じゃ全然わからない感覚ですね・・・。
(ていうか大井さんの部下、幸せか!)
・・・でも、じゃあなぜ大企業はたくさん人を採用するんでしょうね。」
大井さん
「・・・・・」
ナリ
「・・・・・」
ヒント:離職率☆