僕はこれを情熱と呼ぶ

東京から高知、東南アジアを旅して妻と娘を愛するデジタルマーケターの人生です

②東京から高知、東南アジアに至るまでの話〜ズブの素人がなぜか高知で農業デビュー〜

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「粕谷くん、まずは、高知の四万十町でニラを栽培してもらう」

 

前回の出会いの後、正式に入社した直後の指令だった。

ニラ?ニラか・・・。

全く想像がつかない。だいたい、仕事で農業をやろうなんて、それまでの人生で一度も思ったことがないのだ。勉強のためにちょこっと田植えをした程度ならある。

何しろズブのど素人だった僕は、そんな少ない経験で農業をわかったつもりになり、距離を置いていたのだ。 

「とはいえ、まだ23歳だし、体力も多少はあるつもりだ。単純作業も多そうだし、何とかなるだろう・・・」

大バカ者の僕は、そんな甘い考えを抱いており、そして、

見事バッキバキにしっぺ返しを食らうのでした。

 

①身体の使い方の大事さ

朝6時、現場の先輩社員方とニラの刈り取りから始まりました。もちろん、初めての経験です。

眠い目をこすり、慣れない鎌を使いながら、約6kg前後のニラが詰まったコンテナを2個ずつ軽トラに乗せていく作業。

その後、刈り取ったニラを選別して出荷し、

刈り取った後のニラに肥料を撒き、水をやり、

観察し、病気があれば農薬を撒き、すきあらば草を抜き、

季節ごとに環境が変悪のでハウスのビニールを張ったり、

植え替えのために肥料を巻いた土をトラクターで叩き、畝を立て、

マルチと呼ばれる雑草除けを畝の上に敷いていく・・・etc...。

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正直、まいりました!!(笑)

自分が知っていた農業なんて、ごくごくほんの一部でした!本当スンマセン!

 

「若いから大丈夫です!」などと息巻いていられたのも束の間。

東京のデスクワークですっかり衰えていた肉体は、

速く作業をこなそうとして容易に悲鳴をあげ、すぐに腰痛が爆発したのでした。

そう、農作業は単純作業が多いゆえに、

いかに効率的に、無理無駄ムラをなくしていくのかが超重要なのです。

(もちろん、受け☆売り)

 

60代の作業員のおじさまの方が、動きがシャカシャカしてなくてゆったりなのに、それでいて僕より2倍速いのです。

製造業も初体験な僕は、そのおじさまと先輩方に

痛めない身体の使い方や、作業の基準、歩く動作や手を添える位置などの細かいところまで教わり(叩き込まれ)ました。

 

そして、夜は地元の接骨院に行くのです。

 

「腰が痛いんですけど・・・」

「あー、君は腰よりも首から歪んじゃってるねえ。姿勢が悪い生活が続いたんやろね。60代みたいな身体のラインになってるから強めに矯正するわ。絶対に力入れんなよ。いくで。」

「え?」

「ハッッ!!」

グゴきっ(僕の首の頚椎がねじれた音)

「ぶはあーっ、はあ、はあっ・・・(死ぬかと思った・・・)」

「はい、次。」

「マジすか!?」

しかしマジで治ったのでオススメです。味元接骨院

(しまった、腰の話長すぎた。)

特に、スポーツの経験がない人は、

自分の身体との対話を大事にしましょう。

 

②全ての「なぜ」がそこにある一次産業

一次産業の本当の面白さといえば、ここにあると思います。

「ニラを生で食べてごらんよ」

「ええ〜、生のニラなんて、エグくて食えたもんじゃないですよ。」

「いーから」

まあ、甘いんですよねこれが。

 

なぜ甘くなるのか?を突き詰めていくと、

硝酸態窒素とアミノ酸の含有量など、植物生理学や土壌も関係してきます。

これが加工場や飲食店だと、えー不思議〜、で終わってしまいます。

もしくは、もっともらしい説明でなんとなく納得したフリをするでしょう。

農業の現場ではそれができません。

目の前で全ての現象が起こっているのです。

刈り取りの時間か?

肥料成分か?だとしたら、なぜ今の肥料を使う必要があるのか?自分で作れないか?

土壌の微生物の種類か?

水はけが関係するのか?

これらの仮説を、実際に確かめることができてしまう。

なぜなら、あらゆる原素材と現象がそこにあるからです。

 

うちの会社は循環型の手法を用いていたので、

肥料やら飼料やらの原材料も自分たちで調達して作れます。

これだけ聞くと面白そうですが、逆に言うと、言い訳して思考停止する余地がないんですね。

今まで、決められた答えや仕組みの中で仕事をするのに慣れてしまっていると、ちょっとしんどいと思います。

僕も、何回も「なぜこれはこうなっているのか?」を問い、問われ

見当はずれなこともして怒られながらやってきました(笑)

人手と時間がないんだよー!と言いつつも、毎日コツコツ調べることはできちゃう。

でも、だからこそ湧き出てくる疑問に一つ一つ向き合ってこれました。

素人と循環型農業の組み合わせは、実はとても相性が良かったのではないかと、今では思います。

そして、そんな僕の知らなかった世界が、高知ではありふれていたのです。

手付かずで、いろんな未知の可能性がって、新しい発見の連続でした。

 

③あらゆる多様な素材が、日常をクリエティブにする

 

もうね、そこらへんにいろんな原素材が溢れてるわけですよ!

組み合わせ次第で、いくらでも日常はクリエイティブになります!

予想のつかない日々は、ずっと僕の財産です。

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池田勇人さんが取材に来てくれるってんで、畑にソファ持ってきて土鍋でTKGかっ喰らいましたわ!

 

f:id:narimasakasuya:20170518182854j:plain ↑自分でひょうたん作って明かり灯してんじゃないわよ!おしゃれか!

 

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↑須崎で早咲きする雪割れ桜。ひょうたんとコラボしてんじゃないわよ!おしゃれか!

 

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↑海が近すぎるので黒鯛釣ったわ!どーやってさばくんだ!?初体験でしょ、普通(笑)

とりあえず、炙るか!

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スマガツオも炙っとくか!

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イノシシの肩ももらったから、熟成肉にして炙っとくか!

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炙るついでに、もらったブリをしゃぶしゃぶして、釣ったカサゴ揚げとくか!

 

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鹿の足2本もらったけど腐っちゃうから、ローストにして保存しとくか!!

 

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名物の土佐文旦も、絞っとくか!

 

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何?ここらでドブロク(違法酒)作ってるって?

さっき会ったお遍路少年と一緒に飲むか!

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えー、まあ、高知の田舎での最初の日々、

このようにして過ぎ去って行きました。

(勝手に写真に載ってるみなさん、諦めてください。)

 

次回は、いよいよ「ニラの次は卵の生産!?養鶏農家に目覚める」(いつも通り仮)です。

読んでくだすって、毎度おおきにです。

 

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