僕はこれを情熱と呼ぶ

東京から高知、東南アジアを旅して妻と娘を愛するデジタルマーケターの人生です

東南アジアの有機農業をぶっちゃけトーク②〜タイ、ラオス、カンボジアの農村を歩く〜

 

「He—y, しんちゃん!」

「サワディッカー!ボス!」(おはよう、お父さん)

 

2013年9月、僕は卒論調査のため、タイの東北部で受け入れてくれたChala夫妻(仮名)の農場に居て、有機農業をしていた。

(前回の記事はこちら

僕はなぜか「しんちゃん」と呼ばれ(その人に似ているらしい)、Chala夫妻に慣れないタイ語とChiraさんの通訳に助けられ、ヒアリングをしていた。

 

タイ東北部の「ある農場」とはどんなところか

 

Chala農場は、4haの土地で、家畜を含め実に多くの作物栽培が行われている。

コメを中心として、田んぼの近くに作った5つの池にはナマズやエビを養殖。

さらに、空いている土地ではトマト、唐辛子、ナス、白ナス等の野菜や、パパイヤ、バナナ、レモン、パッキム等の果物も栽培されている。

また、ビニールハウスの中で4,000本のキノコ類が栽培されており、魚とコメに並ぶ重要な収入源となっている。

家畜としては、豚が5頭、鶏が10頭以上、犬(食用でない)8匹が飼育されている。Chala農場は、非常に多品種の作物を扱うことで不作時のリスク回避および収入の安定化を図っている。たとえば、2013年は雨水が少なかったためコメの収量が減ったが、減少分を補うためにキノコ栽培を始めた・・・。

 (自身の論文より抜粋)

 

という、

 

なんつーダイナミックな農場なんだ!

 

と、しょっぱな面食らいました。

なんせ、一番の出費が魚の「稚魚と餌代」だって言うんだから、

まさに「百姓だ!」ってなもんですよ。

 

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僕「なんでこんなにたくさんの品種や作物があるんですか?

ボス「この辺は雨が降らなかったり、気温が暑すぎたりするからね。病気で全滅しないように、リスクを回避するためさ

 

僕「そもそも、どうしてこんな手の込んだ有機農業を始めたんですか?」

 

ボス「以前、近代農業で農薬使ってたら病気になっちゃったんだ。それ以来、健康のために無農薬でやってるよ。今はピンピンさ!」

 

—途上国と呼ばれる国の農村部では、昔は安い粗悪な農薬を、装備もなしに使用していた。もちろん、知識などなく、メーカーや卸しもそれを伝えなかった。一応、年々農薬被害による死亡件数は減っている…—

(自身の卒論より抜粋)

 

農場の写真

 ① 稼ぎ頭の養殖用の池

なんと、水をろ過する装置もありました。

この養殖池は全部で4つあり、年に3~4回、一回につき3tぐらい獲れるそうです。マジか。ていうか、よくもまあこんなに掘りましたね!

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 ② 少量多品種な野菜たち

すみません、これしか画像が残っていません。(泣)

そこら辺に果物がなっていたりするので、歩きながらパクパク食べてました。

やはり、畑の周りの雑草はある程度とっており、

それは大変な労力だったのだと、今の僕にはわかります。

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 ③ 稼ぎルーキーのキノコたち

その数、なんと4000本!!

しかも、注目すべきはそのサイクルの早さ。5日ごとに5kgの収穫があり、最初だけ世話すれば3か月ぐらいは伸びっぱなしです。

まさに、忙しい有機農家の味方!しかもどんな料理にも合う万能キノコや、あんた!

 

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バンコク市内では食べられない!?獲れたての新鮮ご飯!

 

ンマー、ほんと、居候の身で図々しいなと思いつつも、

毎日がっつりいただきました、ご飯。

だって、太陽があまりにも爽やかだったから、

いや、池の水面を風が撫でていたから、

違う!

あまりにも!美味しすぎたから!

ンマー!!

 

「ご飯にするから、野菜を採っていこう」と、獲れたて野菜のスープ!?

自然の甘みが半端なく、染み渡るキノコエキスに、酸味のある魚醤で仕上げればおかわり無限地獄の極上スープ!そこに唐辛子のスパイシーさがたまらんのです!

(私、今、断食中にこんな記事を書いている)

 

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日本のイサキのような魚でしょうか。塩焼きの身がしっとりとしているのに、プリっぷりなんです!わかりますか、この矛盾。本当に美味しいお魚は、矛盾を孕んでいるのです。

(私、今、断食中でお腹が空いている)

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そして、主食はなんと、もち米(カオニャ)!!

ジャスミンライスみたいなパサパサした米はあまり食べませんでした。

このカオニャを、手でこねて、こねながらスープを飲み、こねながら魚を突き、

もっちりしてきたら口に入れてよく噛む。モッチモチ。

ハマる。このモチモチ感。いくらでも食べられる。

(私、今、断食中にモチモチとか言ってるの。やってられるか!!)

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総じて、Chala農場は生態系が循環する素晴らしい農場でした。

今の僕が行ったら、また一段と深く感動するでしょう。

ちなみに、ヒアリングの結果はもちろん、いい感じの所得となっております。

でも、それってChala夫妻だけじゃないの・・・・?

と思いましたが、違いました。実は、この地域の販路にも工夫があったのです!!

 

次回は「タイ農村部の有機農産物を支えるグリーンマーケットの真実に迫る!」です。

 

p.s.

ちなみに、このテーマの卒論は、ご連絡くだされば送ります。

個人情報があるので、絶対に、第三者に渡さないように気をつけてください。

 

【連絡先】

nari.kasuya.hikariアットマークgmail.com